喜田 聡 Satoshi Kida

喜田 聡 Satoshi Kida

 

【中之島フェスティバルタワー13 階】

滔々
2018/写真/ハーネミューレ紙・インクジェットプリント

【なにわ橋駅】

対岸の事象
2018/写真/ハーネミューレ紙・インクジェットプリント

photo image《静寂の惑星/2014》

■「キテ・ミテ中之島2018」出品作品のコンセプト■

【滔々】

本制作では、大阪の中心を流れる淀川の上流に位置する、滋賀県の琵琶湖を撮影対象とした。琵琶湖は山々に囲まれた場所に位置し、古代湖の地形を滔々と流れる水からは、脈々と続いてきた太古の息吹が感じられる。ここでの目的は、「当たり前の風景を当たり前に捉えることで、物事の本質を際立って感じさせるような写真表現」である。その場の光や音、気温や湿度といった情報を、視覚を通して写真から読み解くことが可能となる。

【対岸の事象】

都市の近くにある自然。そこから見る都市の光景に心惹かれるものがある。都市の慌ただしい日常のすぐ近くにあるこの場所には、淀川の流れ同様ゆったりとした時が流れ、非日常空間が広がっている。1日の出来事にベールをかけるように雲が織りなす光の時間が訪れる。対岸の街は夜の幄に包まれ、ビル群の灯りが水面から空まで辺りを照らす。対岸では街の灯りがぽつぽつと静寂の中、消えてゆく。淀川が本来の姿を取り戻す瞬間である。

■駅から始まるアートイベント「キテ・ミテ中之島2018」への想い■

昔から商人のまちとして栄えてきた中之島エリアと、そこを多くの人々が行き交う場所として、なにわ橋駅で展示をおこなえることに大変喜びを感じております。アートはキテ、ミテもらい、感じてもらってナンボな部分があります。写真には記録性はもとより、アート表現の力もあります。単に目の前のものを撮影するだけでは記録に留まるが、撮影者が撮影地に赴き、被写体と対峙をすることで捉えた写真からは、写真家による過去から現在、未来に至るまでの表現になる。良い写真には、写真には写っていないフレームの外を想像させたりもします。見る方々でそれぞれ異なる何かを「キテ・ミテ中之島 2018」で感じていただければ幸いです。

■Profile■

1988年 京都府生まれ
大阪芸術大学大学院芸術研究科博士前期課程芸術制作専攻 デザイン写真領域 修了
奈良県在住、大阪芸術大学芸術学部写真学科 機材室所属

【グループ展】
2014 発想展 (心斎橋WAギャラリー/大阪)
2015 第24回 日韓中米国際交流展 (芸術情報センター/大阪)
   EWAAC AWARD in London ’15’16ファイナリスト展 (ロンドン/イギリス)
2016 How are you,PHOTOGRAPHY? ’16’17(ギャラリーマロニエ/京都)
2017 オリンパス デジタルカレッジ フォトチューター展 (オリンパスプラザ大阪/大阪)
2018 APDA KYOTO 2018 国際交流アーティスト展 (ギャラリーbe京都/京都)
【公募展・受賞】
2014 第62回ニッコールフォトコンテスト 準特選 入選
2015 理化学研究所 作品展示プロジェクト京2015 学長賞 副機構長賞 AICS写真部門賞 受賞
2016 大阪芸術大学芸術学部写真学科 学長賞 選抜展 奨励賞 受賞
2017 「御堂筋の街並み写真展」大阪府立中之島図書館 優秀賞  受賞
2018 日本広告写真家協会 APA AWARD2018 入選(’14’18)